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  鳳は、黒沼からローションらしい瓶を受け取ると、その中身を手にとり、俺の前で突然、

   その巨根を摩り始めた。


   「なっ! 」

  俺が驚いて声を出すと、黒沼に睨まれた。彼の口は「お静かに」と言っている。

  鳳は、目を閉じ、眉をつらそうにひそめながら、必死な様子で自慰をしている。

   いつも、そうしているのか、右手で亀頭部をいじりながら、左手で砲身をダイナミックに摩っていた。


  そのうちに、声を小さく上げながら、腰を痙攣させて白い液を吐き出した。

  吹き上がる精液を見ながら、俺は眩暈を覚えていた。

  何で、俺が後輩の自慰を真面目に見守らないとならないのだ。

  「一体、これがどうしたんだよ! 」

  俺がもう辛抱できずに、声を出すと、黒沼は鳳の身体を指差した。

  見ると、放出が終わったのに、鳳のモノは全く萎えていなかった。それどころか、もっと硬く

   大きくなっているような気がしてならなかった。


   「お気がつきましたか? ご当主様は、自慰ごときの刺激では萎える事がありません。

   問題は、鳳家の男子に共通のこの問題
にあります。」

  鳳長太郎は、黒沼が話をしている最中、テッシュで自分の吐き出したモノを拭いていた。

   その表情は熱があるように真っ赤になっており、陰部にかかった汁を拭き取るたびに、

   辛そうに顔をしかめていた。


   「鳳家の男子は、みなさま。このように多感、多情でございます。言うならば、一度勃起

    してしまうと、ご自分の行為では萎えず、それはかなりの苦痛を伴うモノでございます。


   亮様も男性ですので、記憶にあるかと思います。勃起したままでは、普通、歩く事も

    思うように出来ませんし、何より、人前に出る事ができません。


   鳳家の方達は、それよりも、もっと状態が悪いのです。熱が出て動けなくなってしまいます。

    これは病気と同様とお考えになってください。」


   なんとなく、俺は嫌な予感がしてきた。

   と言うよりも、本当は、入浴中に考えなくも無かったのだ。

   それで、俺がここに呼ばれた理由は、もう一つしか無いような気がする。

   俺が、もし女だったのなら、もっと早くその可能性に気がついたはずだ。

   黒沼は俺のそばに近づいてくると、鳳には聞こえないような小さな声で囁いた。

   「賢い亮様には、もうわかっていらっしゃるでしょうが。亮様のお仕事は、ご当主様の

    性処理を手伝っていただく事でございます。」


   やっぱり、そうか。

   俺は涙が出そうになった。

   よりにもよって、この俺が。

   何で、後輩の下の世話係をせんとならんのだ!

   「冗談じゃ無い! お断りだ! 今すぐ、俺は帰る! 」

   俺のものすごい剣幕に、鳳は脅えたように身体をふるわせた。その火照ったような赤い顔は、

    今すぐにでも泣き出しそうにクシャリと歪んだ。


   何で、お前がそんな顔をするんだ。

   泣きたいのは、俺の方だ!



                          
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